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 どこも受け入れてもらえず、こちらにたどり着きました

と他市から娘さんが相談に見えられました。

脳梗塞の再発を繰り返している93歳の父親、胃瘻が造設できず、

点滴で栄養を補給している。そのためにどこの施設

も断られ、こちらにたどり着きましたということでした。
 

 病院からの情報では、寝たきりで、言語障害があって

意思表示も満足にできない。誤嚥性肺炎を繰り返し、

経口はできないという申し送りでした。


 それから2週間が経過しました。

脳梗塞のため嚥下機能がかなり低下しておりますが、

まだまだ残存しているように思われます。栄養は高カロリー輸液で

補給できていますので、ご本人の食べたいという

欲求を少しでも満たして差し上げたいと思い、好物の

お豆腐を用意すると、口を開けられご自分で食べようとされます。

嚥下も時間をかければできます。

慎重に慎重に食べていただいて、100g近く召し上がること

でできました。今では毎日の日課です。楽しみにされています。



お酒が飲みたいといわれてました。今日はとろみをつけて、

50㏄程度ですが飲んでいただきました。

起き上がる時間も増やし、日々変化がみられます。

言葉もよく出てきます。阪神ファンだ。山の仕事をしていた。

赤ちゃんはかわいらしなぁ(ひ孫さんのこと)などなど



 私たちは諦めません。ご本人の希望をかなえるには、

どうした良いかを常に考えます。ご家族同様、変化がある

と本当に嬉しいものです。元気がいただけます。

仕事をしているという喜びがひしひしと感じられます。


 看護師が本気になると凄いことが起こりますよ(笑)。




小次郎君 5歳になりました。
ふてぶてしい表情がかわいいです。



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# by wagamamayouko | 2023-06-11 18:40 | 夢の実現に向けて | Comments(1)



 R子さんの3回目の外出は、満開の桜の下で、しばし時を過ごす。

場所も時間も決めていました。

 R子さんは貧血が酷く、胸水もたまっていて、酸素療法を

行っていました。あまり状態はよくはなかったけれど、

病院で2週間入院治療して施設に帰ってくる。

その後の外出の企てでした。


 それなのに、入院した翌日に急変して、そのまま亡くなられました。

最後はご家族と私たちが看取って差し上げたいと思っていましたので、

こんな終わり方は予期していない出来事で、不意打ちを食らったようで、

ショックはとても大きかったです。


 ここ一ヶ月は、入居者を引き受ける気もなく過ごしました。

しかし、入居の希望者があると、再三、断ることも憚れて、連休明けには新しい方を

引き受ける事にしました。


 新しい出会いが待っています。

そう思えるほど、少し元気になりました。

陽気に誘われてお出かけいたしました。



春日大社の藤の花、飛鳥、岡寺の石楠花、大阪舞洲のネモフィラ




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# by wagamamayouko | 2023-05-07 14:39 | 日々の出来事 | Comments(0)

最後は友人と暮らす




友人と同居して5年が経過した。

仕事の上では相棒、生活の上では同居人、

私にとって彼女は掛け買いのない人である。

 同じ年であるが、彼女は私の事を「先生」と呼ぶ。

私はその呼び方を気に入っていないが、仕方ないかと諦め

ているし、それは私の固有名詞のようにも思えるほど自然

になってきた。

 仕方ないというのは、私との出会いが、かつて教師と

学生であったこと、彼女に言わせると、その関係は絶対的

なもので代えられないのだそうだ。

 
 出会ってから30年になるが、お互い様々なことがあっ

た。その都度、助け助け合いながら生きてきた。

絆の歴史だと思う。

 しかし、生活を共にするということは、簡単なことでは

なくて、理解しあっているといっても、いろいろな衝突が

起こる。息苦しい時もある。

しかし、同時に、

「おはよう」「おやすみ」「行ってらっしゃい」「おかえ

りなさい」「いただきます」「ごちそうさまでした」

そう言った言葉を交わす相手がいるということは幸せであ

る。

「今日の煮つけはうまくたけたじゃないの」

「そろそろ蕨採りに行こうか」「そういえば、〇〇さんが

昼食を食べにくるそうよ」などなど、たわいもない会話を

しながら食事をする。そんなことが私には嬉しくて満たさ

れた思いになる。


 夫を亡くして寂しい思いが常にある。その寂しさを大事

に抱えて生きて居れるのも、彼女との生活があればこそだ

と思っている。

彼女の存在とご縁に深く深く感謝している。


 お互いのプライベートにはむやみに立ち入らない、

胸に一物を持たないで、どんなことでも最期まできちんと

伝え、わだかまりを持たない、その二つをお互いが大事に

しながら生活をしている。また、生活費が半分で済むのも

なかなかよい。




京都 原谷苑の枝垂れ桜。息をのむほどの美しさ


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# by wagamamayouko | 2023-04-06 20:25 | 日々の出来事 | Comments(1)